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カーテン越しから、暖かな陽光が差し込む。
小鳥の囀りは、一つの朝の到来を告げている。
それに混じって、カラスのうるさい鳴き声が聞こえてくるのは都会だからだろうか。
窓の外には、大きな桜の木。
しかし、つぼみが開く気配はまだなく、人々の眼には冬の気配を伝えているだけだ。
そんな事を考えながら大きな欠伸をして、彼、真島淳司は腕を伸ばす。
ベッドから上半身だけを起こして眠たそうに眼を擦る。
それから簡素な机に置いた時計に眼をゆっくりと向ける。
現在の時刻は……六時……三十……六分。
ベッドの上で胡座をかき、寝巻き姿のまま、一つ頷く。
「……我ながら、珍しい」
淳司は声に出して呟いた。平日なら七時過ぎまで寝ているのは当たり前。歯磨き、洗顔をして、トーストをかぶりつきつつ学生服を着てドタバタと玄関を走り出ていくのがいつものパターンなのだから確かに珍しい。
「今日は……不吉な事が起こるのかな?」
そうならぬよう、実在するかどうかもわからぬ神に祈りながら、淳司はパジャマから動きやすいジャージに着替え始めた。
カレンダーに眼を向ける。今日は二月十三日。モテナイ男にとって、バレンタインという死刑執行日まで、残り一日という忌々しい日だ。
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