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「……毒ばかり吐いていると嫁の貰い手がいなくなるぞ」
「結婚しなければいけない、というのは固定観念以外の何物でもないわ」
それにしようと思えば何とかなるだろうし、と亜季は淳司の反撃を軽くいなす。
(本当にこの毒舌を矯正せずに、何とかなるとあいつは思っているのだろうか?)
淳司は心の中だけで毒づき、視線を亜季から前方に向ける。
アスファルトは陽光を照り返し、熱気を吸収している。
擦れ違う人々の談笑。
小鳥の囀りは、無数の人の言葉に掻き消されている。
今日も、普段通りの一日となるようだ。
淳司が通う戸島高校は個性的な高校だ。
何が個性的かというと……
「でも珍しいでしょうね。私服OKの高校だなんて」
隣りにいる亜季が辺りを見渡しながらぼそりと呟く。
淳司の服装は普通の学生服。私服も学生服も両方OKの高校なのだ。
何でわざわざ学生服を淳司着用しているかと言うと、いちいち着ていく服を毎朝吟味たくない、つまり、面倒だからだ。
ちなみに隣りにいる亜季の服装は、
「何じろじろ見てんのよ?」
亜季は不機嫌そうに眉を顰める。
(紺のジーパンに白のワンピース。茶色のコートを羽織っているけど……他にも色々着てるが……)
男で、しかもファッションに全く気を使わない淳司が彼女の服装を観察した所で、事細かにわかる訳もなかった。
第一、他の女子ならともかく、亜季の服装の観察など頼まれてもしたくない。
未来のために
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