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「皆、おはよう!」 甲高い、女性独特の声が遠方からかけられる。 彼女―芝田翔子―は、大きく手を振りこちらに向かってくる。その姿からは元気一杯、という印象が与えられる。 「ん、おはよ、翔子」 亜季は短く、簡潔に答える。 ちなみに彼女の服装は、 (……なんて言えばいいんだ?) やはりファッションに疎い淳司にはよくわからないらしい。 翔子は春色のスカートをいて、亜季と似たようなベージュのワンピースの上に白のコートを着用し、そのコートの上には長い髪を一纏めにしたポニーテール。 「ちょっと待ってよ翔子ちゃん」 その後ろを青い顔、ふらふらした足取りで追いかけて来るのは結城総司。ばりばりの温室育ち、財閥の坊ちゃんである。 こちらの服装はやたら高級そうな雰囲気を漂わせて……はいない。確かに着ている服は有名ブランドのものなのだが、彼の物腰というか人のよさというか、そういったものが彼に『高貴な人物』という寄り難い印象を与えないのだ。 「グッドモーニングね、ショウコ、ソウジ」 ジャックが総司の事を呼ぶとどうしても『掃除』と言っているように皆には聞こえる。日本語の発音って難しいんだなぁ、と四人が感じる数少ない機会である。 玄関で内靴に履き替え、各々は階段をのぼってそれぞれの教室に向かう。 ちなみに淳司の教室は二年二組。翔子と一緒のクラスだ。総司は二年一組、ジャックは二年五組、亜季は二年八組。 クラスも違うのに、どうしたてこの五人は仲がいいのか。 それは昼食時、放課後にはわかることだ。

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